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【知られざるリップロールの効果】声帯と息に起こる変化をわかりやすく解説

こんにちは!

FUKURAMU MUSIC SCHOOLです!

歌う前のウォーミングアップとして、リップロールを取り入れている方は多いと思います。

一方で、唇をブルブルと振動させることが、なぜ発声練習になるのか疑問に感じたことはありませんか?

リップロールには、息の流れを整えたり、声帯を振動させやすくしたりする効果があります。

さらに、歌う時に必要な息の使い方を覚える練習としても役立ちます。

今回は、リップロールで得られる4つの効果を、生理学的な仕組みとあわせてわかりやすく解説します。

リップロールとは?

リップロールとは、上下の唇を軽く合わせ、吐く息によって「ブルブル」と振動させながら声を出す練習です。

唇の力で無理に震わせず、息が唇の間を通ることで振動が続く状態を作ります。

このように、口の出口を狭くした状態で行う発声練習は、「SOVTトレーニング」と呼ばれています。

SOVTは「Semi-Occluded Vocal Tract」の略で、日本語では「半閉鎖声道」と訳されます。

リップロールのほか、ストロー発声やハミングなどもSOVTトレーニングの一つです。

リップロールでは、そのまま一定の音を伸ばしたり、低音から高音まで音程を動かしたりすることで、歌う前のウォーミングアップや発声練習として使われています。

それでは、リップロールを行うことで、発声にはどのような変化が起こるのでしょうか。

リップロールの効果

リップロールには、発声に関わるさまざまな効果があります。

ここからは、リップロールの4つの効果を順番に解説していきます。

①息の堰き止めが軽減される

歌が苦しかったり、声質が気に入らない時の原因の中で最も重要なのが「息の堰き止め」です。

息を長く持たせようとする時や、声が出ている状態をなんとか維持したい時に、声帯などの「喉の閉鎖弁」は強く閉まろうとします。

それが過剰になると、「息の堰き止め」が起こります。

息の堰き止めが起こると、詰まり・閉塞感・声の籠り・苦しさといった症状が次々に表れます。

この「息の堰き止め」を和らげるのが「リップロール」です。

リップロールで唇をブルブルと振動させ続けるには、肺から口元まで息が流れ続けている必要があります。

この時に喉で息を強く堰き止めてしまうと、唇へ届く空気が減るため、唇の振動が止まったり、途中で途切れたりしてしまいます。

唇の振動を一定に保つには、息の通り道を確保するしか無くなるので、喉の閉鎖弁を強く閉じようとする動きが自然と抑制されるのです。

これがリップロールの1つ目の効果です。

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②声門上圧が生まれる

リップロールでは、肺から送られた息が声帯を通過した後、閉じた唇を押し広げて外へ出ていきます。

この時、唇が空気の出口を狭めるため、息の一部が口の中へ押し戻され、口腔内の空気圧力が高まります。

その圧力は喉の奥まで伝わり、声帯の上側にも空気圧がかかるようになります。

この声帯より上側に生まれる圧力を「声門上圧」と呼びます。

声を出している時には、肺から送られた空気(声門下圧)が声帯の下側から声帯を押し広げています。

この「声門下圧」「声門上圧」に差があればあるほど、声帯は声門下圧に吹き飛ばされやすくなります。

そうなれば発声が破綻してしまうので、声帯は強く分厚く閉じることで、声門下圧に耐えなければいけなくなります。

しかし、そこに声門上圧が加わると、状況は一変します。

声帯の下側からかかる圧力と、上側からかかる圧力の差が小さくなるので、声帯が下から強く押し上げられにくくなり、声帯を強く閉めて耐える必要が無くなるのです。

結果、①のメリットとも繋がりますが、声帯の閉めすぎが緩和され、苦しさや息の堰き止めが緩和されます。

これがリップロールの2つ目の効果です。

③声帯が振動しやすくなる

声帯は声門下圧によって押し広げられた後、元の位置に戻っていきます。

戻って、また押し広げられ、を繰り返すことで、声の元となる原音を生み出しているのです。

リップロールによって声門上圧が作られると、「元の位置に戻る」という動作がよりスムーズに行われやすくなります。

すると、より必要最小限の力で発声できるようになっていきます。

発声では、過剰な力を入れれば入れるほど、息が堰き止まりやすくなるなどのデメリットが多くなるので、必要最小限の力で発声できるというのは、基本であり奥義でもあるのです。

これがリップロールの3つ目の効果です。

④歌に適した息の流れを覚えられる

リップロールは息の流れを確保し、息の堰き止めを予防する効果がありましたね。

息の流れを確保するということは、一見すると「息が保ちにくくなる」というデメリットを孕んでいそうです。

しかし、リップロールはここにもしっかりと予防線を張っています。

リップロール中は唇が半分閉じられているので、空気の出ていく量が制限されています。

つまり、「喉で息を止めていないのに、なぜか息が保つ」という状態が作れるのです。

実はこの状態こそが、歌唱における理想的な息の状態です。

息の堰き止めが良くないからと言って、ただ息を流してしまえば、当然息は保たなくなってしまいます。

理想的なのは

「堰き止めてはいないが、流れていないわけでもない。」

という、絶妙なバランスを保つことなのです。

リップロールは、言葉では説明が難しいこのバランスを、簡単に体感できるというところが最大の利点です。

これがリップロールの4つ目の効果です。

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リップロールの練習方法

ここからは、リップロールを行う時の注意点と、実際の練習方法を順番に解説していきます。

リップロールを行う時の注意点

リップロールには息の流れを作る効果がありますが、喉の動きを完全に制限するほど強制力の高い練習ではありません。

やろうと思えば、喉で息を堰き止めた状態のまま、口元へ少量の空気を送り、唇だけを振動させることもできてしまいます。

特に、声を入れたリップロールでは、声を出そうとした瞬間に声帯が閉じるので、普段から声を出す時に喉で息を堰き止める癖がある場合、その癖まで一緒に再現してしまう可能性があります。

そこで、最初は声を出さない「無声リップロール」から始めるのがおすすめです。

声を出さずに行えば、声帯を閉じて声を作る必要が無くなるため、息を堰き止めようとする動きも抑えやすくなります。

まずは無声リップロールで息が流れる状態を作り、その状態を変えないように声を加えていきましょう。

練習方法①無声リップロール

まずは、声を入れずに唇だけを振動させる無声リップロールを行います。

上下の唇を軽く合わせ、口元の力を抜いた状態で息を吐いてください。

唇を強く閉じると、息が外へ出られなくなり、喉や頬にも余計な力が入りやすくなります。

反対に、唇を開きすぎると空気がそのまま抜けてしまい、振動が起こりません。

上下の唇が軽く触れた状態を作り、その隙間へ一定の息を送り込むことで、唇がブルブルと振動し始めます。

最初は長く続けようとせず、二秒から三秒ほど振動させるところから始めましょう。

唇がうまく振動しない場合は、両手の指で頬を軽く持ち上げると、口元の力が抜けて振動しやすくなります。

この時に確認したいのは、喉や顎へ力が入っていないかどうかです。

息が堰き止まっていると、少なからず喉や顎に緊張感が生まれます。

まずは無声の状態で、力みが一切なく、息がスムーズに流れている感覚を覚えましょう。

覚えられたら、そのままの感覚でなるべく長くロングトーンする練習をしてください。

20秒以上ロングトーンすることができれば、④の効果も実感することができます。

練習方法②有声リップロール

無声リップロールが安定したら、その息の流れを保ったまま声を加えます。

重要なのは、声を加えた後も、無声リップロールと同じ息の流れと喉のリラックス加減を保つことです。

まずは無声で唇を振動させ、その途中から楽に出せる高さの声を小さく加えてみましょう。

声を入れた瞬間に唇の振動が弱くなったり、喉が詰まったりする場合は、声帯を閉じる力が強くなり過ぎています。

一度声を止めて無声リップロールへ戻り、息の流れと喉の状態を確認してから、もう一度声を加えてください。

反対に、声を入れた瞬間に大量の息が漏れ、唇の振動が激しくなる場合は、息を吐きすぎています。

無声の時と振動の速さや息の量が大きく変わらないところを探しながら、声だけを重ねる感覚で行いましょう。

無声と有声を交互に繰り返しても、口元や喉の状態がほとんど変わらなくなれば、息を堰き止めずに声帯を振動させられています。

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練習方法③A3からA4まで音程を動かす

有声リップロールで、息が詰まらず、息が漏れすぎてもいない状態を作れたら、次は音程を上下させます。

楽に出せるA3から始め、リップロールを続けたままA4まで音程を上げ、その後A3まで戻ってみましょう。

最初から一オクターブを速く移動してしまうと、途中で喉に力が入っても気づきにくくなります。

まずはゆっくりと音程を動かし、低音から高音まで唇の振動と息の流れが変わらないように意識しましょう。

実際のレッスンでは、この練習を行うことで、地声と裏声がつながりやすくなることが多々あります。

そもそも地声と裏声のひっくり返りは、声帯の厚みが急激に変わることによって起こります。

そしてその厚みの変化は、声帯上下の圧力差が大きくなることによって起こります。

リップロール中は声門上圧が生まれるので、声帯上下の圧力差が小さくなり、声帯の厚みの変化が緩やかになるのです。

リップロールを使って地声と裏声を跨ぐ感覚をきっかけに、ミックスボイスの感覚を掴んだ生徒さんも多くいらっしゃいます。

まずは低音から高音まで同じ息の流れで移動できることを目標に、練習してみましょう。

リップロールについてよくある質問

最後に、リップロールの効果についてよくある質問にお答えしていきます。

リップロールで何が変わるのか、うまくできない時はどうすれば良いのか、練習の目的を整理しながら確認していきましょう。

リップロールにはどんな効果がありますか?

リップロールには、息の堰き止めを軽減し、声帯を振動させやすくする効果があります。

唇をブルブルと振動させ続けるには、肺から口元まで息が流れ続けている必要があります。

そのため、喉で息を強く堰き止めてしまうと、唇へ届く空気が減り、振動が止まったり、途中で途切れたりします。

唇の振動を一定に保とうとすることで、息の通り道が確保され、喉の閉鎖弁を強く閉じようとする動きも抑えられていきます。

さらに、唇が半分閉じられることで声門上圧が生まれ、声帯の上下にかかる圧力差が小さくなります。

その結果、声帯を強く閉じて耐える必要が減り、必要最小限の力で声帯を振動させやすくなります。

なぜ唇を震わせるだけで発声練習になるのですか?

リップロールでは、閉じた唇を息で押し広げながら声を出します。

この時、唇が空気の出口を狭めるため、口の中に空気圧が生まれます。

その圧力が喉の奥まで伝わることで、声帯の上側にも空気圧がかかります。

声帯の下側からは肺から送られた息の圧力がかかり、上側からは声門上圧がかかるため、声帯の上下にかかる圧力差が小さくなります。

すると、声帯が下から強く押し上げられにくくなり、強い力で閉じて耐える必要も減っていきます。

唇を震わせる練習に見えて、実際には息の流れや声帯の動きまで整えられるため、発声練習として使われています。

リップロールができない時はどうすればいいですか?

リップロールがうまくできない時は、まず唇や頬に力が入りすぎていないか確認してみましょう。

唇を強く閉じると、息が外へ出られなくなり、喉や頬にも余計な力が入りやすくなります。

反対に、唇を開きすぎると空気がそのまま抜けてしまい、振動が起こりません。

上下の唇が軽く触れた状態を作り、その隙間へ一定の息を送り込むことで、唇がブルブルと振動し始めます。

それでも難しい場合は、両手の指で頬を軽く持ち上げてください。

口元の力が抜けやすくなり、唇の振動も起こりやすくなります。

リップロールは声を出して行った方がいいですか?

最初は声を出さない無声リップロールから始めるのがおすすめです。

リップロールには息の流れを作る効果がありますが、喉の動きを完全に制限するほど強制力の高い練習ではありません。

普段から声を出す時に喉で息を堰き止める癖がある場合、声を入れた瞬間にその癖まで一緒に再現してしまうことがあります。

まずは無声リップロールで、喉や顎に力みがなく、息がスムーズに流れている感覚を覚えましょう。

その状態を変えないように声を加えることで、息を堰き止めずに声帯を振動させる練習につながります。

リップロールをすると高音が出やすくなりますか?

リップロールによって、地声と裏声がつながりやすくなることがあります。

地声と裏声のひっくり返りは、声帯の厚みが急激に変わることで起こります。

そして、その厚みの変化には、声帯の上下にかかる圧力差が関係しています。

リップロール中は声門上圧が生まれるため、声帯上下の圧力差が小さくなり、声帯の厚みの変化も緩やかになりやすくなります。

実際のレッスンでも、リップロールを使って低音から高音まで移動することで、地声と裏声を跨ぐ感覚を掴みやすくなるケースがあります。

高音を力で押し上げる練習として使うのではなく、低音から高音まで同じ息の流れで移動する練習として行いましょう。

まとめ

今回は、リップロールの効果について解説しました。

リップロールは、唇をブルブルと振動させるシンプルな練習ですが、その中では息の流れ、声門上圧、声帯の振動しやすさなど、発声に関わるさまざまな変化が起こっています。

特に大きなポイントは、喉で息を堰き止めていないのに、息が一気に抜けすぎていない状態を体感できることです。

この感覚を覚えることで、歌う時の苦しさや詰まりを減らし、声帯が振動しやすい状態へ近づけていくことができます。

まずは無声リップロールから始め、息の流れと喉の楽さを確認しながら、少しずつ声や音程の動きを加えてみてください。

FUKURAMU MUSIC SCHOOLでは、一人ひとりの声の状態に合わせて、息の使い方や声帯の動かし方を丁寧にレッスンしています。

リップロールをしても喉が苦しくなる方、高音で声が詰まる方、歌う時の息の使い方を見直したい方は、ぜひ一度体験レッスンへお越しください。

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