コラム

横浜のボイストレーニング FUKURAMU MUSIC SCHOOL

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なぜ今【エッジボイス】が必須なのか?バズるアーティストの秘密とプロが教える超・実践的レッスン 

「あのアーティストの歌い出し、なんだかゾクッとするほど色気がある…」

「高音なのに、細くならずに芯があってカッコいい!」

今の音楽シーンを聴いていて、そう感じたことはありませんか?

藤井 風、Vaundy、Ado、そしてNewJeansやILLITをはじめとするK-POPアーティストたち。彼らの歌声の魅力を解剖していくと、ある共通する“最強の武器”に突き当たります。

それが「エッジボイス(ヴォーカル・フライ)」です。

かつては「呪怨のあの声」「発声の準備体操」くらいに思われていたこのテクニックですが、現在のJ-POP・グローバルトレンドにおいては、「表現の主役」であり「高音発声のチートコード」として劇的な進化を遂げています。

今回は、現役のヴォーカルインストラクターとしてのレッスン現場での「リアルな生徒さんの声や変化」も交えながら、今流行りの楽曲の分析、そしてエッジボイスを自分のモノにするための実践的なステップを徹底解説します!

1. そもそも「エッジボイス」とは?現代の定義

エッジボイスとは、声帯を限界までリラックスさせて閉じ、そこに最低限の息を当てることで、「ブツブツ」「パチパチ」とした低音の振動音を生み出す発声技術です。英語圏では「Vocal Fry(ヴォーカル・フライ=油で揚げるときのようなパチパチ音)」とも呼ばれます。

昔のボイトレにおけるエッジボイスの立ち位置は、以下のようなものでした。

・ウォーミングアップ(声帯のマッサージ)
・声帯閉鎖(声をハッキリさせる)の感覚を掴むためのドリル

しかし、現在の音楽シーンではその役割が180度変わっています。単なる練習曲のパーツではなく、「歌の主人公としての表現力」そのものになっているのです。まずは、実際のヒット曲を例に、その使われ方を見ていきましょう。

2. 【ヒット曲分析】今流行りのアーティストはどう使っている?

現代のヒット曲において、エッジボイスは大きく分けて3つの役割で使われています。

① 「歌い出しの切なさ・色気」を引き出す

曲が始まった一瞬でリスナーの耳を掴むために、フレーズの最初の1文字目にエッジボイスを濃厚に引っかける手法です。

・藤井 風 / 『まつり』『満ちてゆく』など

藤井 風さんの歌唱は、エッジボイスの宝庫です。フレーズの頭で「あ゛…」と優しくエッジを混ぜてから、滑らかに地声や裏声に移行します。これにより、マイクとの距離がゼロ距離であるかのような「圧倒的な親密感」「大人の色気」が生まれます。

・Vaundy / 『タイムパラドックス』『怪獣の花唄』

Vaundyさんもエッジボイスの達人です。切ないメロディの歌い出しで、吐息とエッジボイスを絶妙にブレンドすることで、エモーショナルな感情の揺れを見事に表現しています。

② 「パーカッシブなリズム感(こなれ感)」を生み出す

最近のトレンドであるR&B、ヒップホップ、ネオソウル要素の強い楽曲や、K-POPのニューディスコ・ガラージ系の楽曲では、エッジボイスが「打楽器」のような役割を果たします。

・NewJeans / 『Ditto』『How Sweet』

K-POPのトレンドを牽引するNewJeansの楽曲では、ウィスパーボイス(ひそひそ声)のなかに、プチプチとした心地よいエッジボイスが細かく散りばめられています。これによって、声を張り上げないのに、タイトなビートに負けない「グルーヴ感」「こなれ感」が生まれるのです。

・Ado / 『唱』『クラクラ』

Adoさんの場合は、打って変わって強烈なキャラクター表現としてエッジを使います。がなり声(ディストーション)の一歩手前で、高速でエッジボイスを切り替えることで、トリッキーでパーカッシブな世界観を作り上げています。

③ 「ハイトーン(ミックスボイス)」の芯を作る

現代のJ-POPは、男性曲・女性曲問わず、異常なほどキーが高くなっています。高音を出すときに「声がひっくり返る」「スカスカになる」という悩みを解決するのが、エッジボイスの筋肉です。

・Mrs. GREEN APPLE / 『ライラック』『ケセラセラ』

大森元貴さんの異次元のハイトーン。あれはただ地声を張り上げているのではなく、超高音域(ミックスボイス〜ヘッドボイス)に、エッジボイスを出すときに使う「声帯を閉じる筋肉(内甲状披裂筋など)」を絶妙に作用させています。だからこそ、あれだけ高い音でも、細くならずにパキッとした芯のある太い声が維持できるのです。

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3. レッスン現場の:生徒たちが直面する「3つの壁」

ここからは、私が実際のヴォーカルレッスンで、日々生徒さんたちと向き合う中で得た「生の声」をお届けします。

スクールに来られる生徒さんの9割が「エッジボイスを歌に入れたい」「推しメンみたいにカッコよく歌いたい」とおっしゃいます。しかし、いざやってみると、ほぼ全員が次の3つの壁にぶつかります。

【壁①】「ブツブツ」ではなく「あー(ただの低い声)」になってしまう

生徒Aさん(20代女性):

「藤井風さんみたいに歌い出しを『あ゛〜』ってやりたいんですけど、ただ喉が詰まった低い声になっちゃって、全然あのオシャレな感じになりません…」

・現場での分析:

これは、息を流しすぎているか、喉を締め付けている典型的なパターンです。エッジボイスは「息をほとんど流さない」のが鉄則。多くの人は「声をしっかり出そう」とするあまり、息の圧力を強くしすぎて、声帯の繊細な振動(ブツブツ音)を吹き飛ばしてしまっているのです。

【壁②】単体ではできるのに「歌のフレーズ」に入ると消える

生徒Bさん(10代男性・バンドボーカル):

「先生、練習で『あ゛、あ゛』ってやるのはできるんです。でも、いざ曲が始まって『♪僕らは〜』って歌おうとすると、エッジがどこかに消えちゃいます!」

・現場での分析:

ボイトレの現場で最も多いのがこの悩みです。「エッジボイスという発声」と「歌うときの発声」を脳内で完全に切り離してしまっている状態です。エッジボイスのブツブツ状態から、どうやって滑らかに通常の母音(あ・い・う・え・お)へとシフト(グラデーション)していくか、という「接続の技術」を練習していないことが原因です。

【壁③】高音でエッジを混ぜようとして「ただの喉締め」になる

生徒Cさん(30代男性):

「高い音のときに芯を入れたくて、エッジの感覚で喉を締めたら、声が詰まって高音が出なくなりました…」

・現場での分析:

「声帯を閉じる(閉鎖)」と「喉を締める(ハイラリンクス・喉の収縮)」を混同してしまっています。エッジボイスに必要なのは、喉の奥の空間を広く保ったまま、声帯のヒダだけを優しく合わせる感覚。ここを取り違えると、喉を痛める原因になってしまいます。

4. プロが教える!エッジボイス完全習得の4ステップ

上記の「現場の壁」を突破し、今流行りのアーティストたちのような洗練されたエッジボイスを手に入れるための、当スクール秘伝の4ステップ・トレーニング法を公開します。

まずはリラックスして、鏡の前で自分の喉を見ながらやってみてください。

STEP 1:完全脱力から「ため息の抜け殻」を作る

まずは喉の力を完全に抜くことから始めます。

・上を向いて「はぁぁ〜」と、全力の脱力ため息をつきます。
・そのため息のスピードを、どんどん遅くしていきます。
・息がなくなる限界の手前で、声を出すのではなく「息を止める一歩手前」の状態を作ります。
・そこで「ポ、ポ、ポ…」または「あ゛、あ゛、あ゛…」と、ゆっくりした不規則なパチパチ音が鳴れば大成功です。

★レッスンでのワンポイントアドバイス:

朝、ベッドから起き上がるときの「あ〜、眠い…」という、あの気だるい声をイメージしてください。あの瞬間、人間の喉は最もリラックスしてエッジボイスが出やすい状態になっています。

STEP 2:「ア・イ・ウ・エ・オ」のグラデーション移行

単体でパチパチ音が鳴るようになったら、次はそれを「言葉」に繋げる練習です。ここが、歌で使えるかどうかの分かれ目になります。

・練習方法:

`【エッジボイス】 ーーー> 【通常の地声】`

「あ゛、あ゛、あ゛、あ゛ーーー(通常の「あ」)」

最初は、エッジボイスを2秒ほど鳴らしてから、ゆっくりと通常の声に移行します。

感覚としては、「エッジボイスのブツブツの隙間を、通常の声で埋めていく」ようなイメージです。これができると、歌い出しに色気を乗せる技術が手に入ります。

STEP 3:流行りのフレーズで実践(実践ドリル)

感覚が掴めたら、実際のヒット曲のフレーズを使って練習しましょう。今回は難易度別に2曲ピックアップしました。

【初級〜中級編】藤井 風 『満ちてゆく』

・ターゲットフレーズ:

「♪ 走り出して〜」の「は」

歌い方のコツ:

「は」という文字を普通に歌うのではなく、「(あ゛)はしりだして〜」というイメージで、頭に0.5秒だけエッジボイスを置きます。息をたくさん混ぜたウィスパーなエッジボイスにすると、一気に藤井風さんのような切なさが再現できます。

【上級編】Mrs. GREEN APPLE 『ライラック』

・ターゲットフレーズ:

サビのハイトーン部分全般

歌い方のコツ:

高音を出す直前に、一瞬「あ゛」とエッジボイスを鳴らして声帯を閉じるスイッチを入れ、その閉じた感覚(芯の強さ)をキープしたまま、一気に高音へ突き抜けます。これにより、裏声(ファルセット)にならずに、力強いミックスボイスでサビを歌い切ることができるようになります。

STEP 4:スマホでの「録音チェック」と修正

エッジボイスを練習する際、絶対に欠かせないのが「自分の声を録音して聴くこと」です。

なぜなら、エッジボイスを出しているとき、自分の骨を通して聴こえる声(骨伝導)は、実際よりも「ボロボロした汚い声」に聴こえることが多いからです。そのため、本人は「変な声になっているかも…」と不安になりがちですが、スマホで録音して客観的に聴いてみると、「あれ? めっちゃオシャレに聴こえる!」というケースが多々あります。

自分の体感と、実際にスピーカーから出ている音のギャップを埋めることが、習得への最短ルートです。

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5. エッジボイスを練習するときの注意点(NG習慣)

エッジボイスは正しく使えば喉のケアになりますが、間違った使い方をすると喉を痛める刃(やいば)にもなります。以下の点には十分注意してください。

・喉が痛くなったらすぐに辞める

エッジボイスの練習中に、喉に「チクチクした痛み」や「イガイガ感」がある場合は、100%喉が締まっています。すぐに水分を補給し、休憩してください。

・大声でやらない

エッジボイスは、基本的に「ささやき声(最小の音量)」で行うものです。ボリュームを上げようとすると、不要な力みが入ってしまいます。音量は小さく、マイクにギリギリ拾ってもらうくらいの意識で練習しましょう。

エッジボイスに関するよくある質問

Q1. エッジボイスは喉に悪いですか?

正しく行えば、喉に悪いものではありません。

エッジボイスは、本来は声帯をリラックスさせて出すもので、最小限の息と力で行うのが基本です。
むしろ、声帯閉鎖の感覚を掴むウォーミングアップとして使われることもあります。

ただし、喉を締めたり、大きな声で無理に出そうとしたりすると、喉を痛める原因になります。

練習中にチクチクした痛みやイガイガ感がある場合は、すぐに中止して休憩してください。

Q2. エッジボイスができるようになるまで、どのくらいかかりますか?

個人差はありますが、まずは毎日少しずつ試してみましょう。

パチパチとした音を鳴らすだけなら、数日〜数週間でコツを掴む方も多いです。
お風呂の中やベッドから起き上がるときなど、喉がリラックスしているタイミングで試すと感覚を掴みやすくなります。

ただし、歌のフレーズの中で自然に使えるようになるには、もう少し時間と反復が必要です。

焦らず、自分のペースで続けていきましょう。

Q3. 単体ではできるのに、歌に入れるとエッジが消えてしまいます。

これは、とても多いお悩みです。

原因の多くは、「エッジボイスの発声」と「歌うときの発声」を、頭の中で別々のものとして捉えてしまっていることにあります。

エッジボイスのブツブツ音から、ゆっくりと通常の母音へ滑らかに移行する「グラデーションの練習」を取り入れると、歌の中でも使いやすくなります。

まずは歌い出しの1文字目だけにエッジを置く、というところから始めるのがおすすめです。

Q4. 高音でエッジを入れようとすると、喉が締まってしまいます。

「声帯を閉じる」ことと「喉を締める」ことを混同している可能性があります。

エッジボイスに必要なのは、喉の奥の空間を広く保ったまま、声帯のヒダだけを優しく合わせる感覚です。

喉そのものを締め付けてしまうと、声が詰まって高音が出なくなり、喉を痛める原因にもなります。

まずは低めの音で、力を抜いた状態のエッジボイスをしっかり身につけてから、少しずつ音程を上げていきましょう。

Q5. エッジボイスは独学でも習得できますか?

ある程度は、独学でも感覚を掴むことができます。

脱力したため息からパチパチ音を探したり、スマホで録音して客観的にチェックしたりする練習は、ひとりでも取り組めます。

ただし、エッジボイスは「喉締め」と「正しい声帯閉鎖」を勘違いしやすい発声でもあります。

自分では正しくできているつもりでも、実際には喉を締めて出しているだけ、というケースも少なくありません。

痛みや声枯れが出る場合は、独学を続けず、一度ボイストレーナーに確認してもらうことをおすすめします。

6. まとめ:エッジボイスは、あなたの歌を「プロのクオリティ」に変える魔法

いかがでしたでしょうか?

今の時代のJ-POPやK-POPを「それっぽく、オシャレに、カッコよく」歌うために、エッジボイスはもはや避けて通れない必須のテクニックです。

・藤井風さんのような色気
・NewJeansのような圧倒的なこなれ感
・Mrs. GREEN APPLEのような芯のあるハイトーン

これらはすべて、声帯をコントロールする「エッジボイスの技術」がベースにあります。

ボイトレの現場で多くの生徒さんを見てきて確信しているのは、「エッジボイスがコントロールできるようになると、歌の説得力が劇的に跳ね上がる」ということです。1音目の「あ゛…」という響きだけで、聴き手を自分の世界観に引きずり込むことができるようになります。

最初はうまくパチパチ音が鳴らないかもしれません。しかし、今回ご紹介したステップを意識して、毎日のお風呂の中などでリラックスして試していくうちに、必ずコツが掴めるはずです。

あなたの歌声に「エッジ」という魔法をかけて、ワンランク上の表現力を手に入れませんか?

「もっと具体的な感覚を知りたい!」「自分のエッジボイスが正しくできているか診てほしい」という方は、ぜひ一度、当ヴォーカルスクールの無料体験レッスンへお越しください。プロのインストラクターが、あなたの声質に合わせた最適なアプローチをマンツーマンで指導します!

(読者の皆様へ)

今回のコラムはいかがでしたか? あなたが今、エッジボイスを混ぜて歌えるようになりたい「推しのアーティストや楽曲」があれば、ぜひコメントやスクールのカウンセリングで教えてくださいね!

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