みなさんこんにちは!
FUKURAMU MUSIC SCHOOLです!
ボイストレーニングについて調べていると、「エッジボイス」という言葉を見かけることがあります。
「ガラガラした低い声を出す練習」と説明されることもありますが、なぜ歌の練習に必要なのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
エッジボイスは、単に変わった音を出すためのものではありません。声帯が振動し始める瞬間と、そこに必要な息の量を小さな音で観察するための練習です。
今回は、エッジボイスの仕組みや効果、初心者でも試しやすい練習方法を、実際のレッスンで行っている指導も交えながら分かりやすく解説します。
エッジボイスとは?
エッジボイスとは、声帯がゆっくりと振動するときに生まれる、「ガラガラ」「ブツブツ」「パチパチ」と聞こえる声のことです。
英語では「ボーカルフライ(Vocal Fry)」や「グロッタルフライ(Glottal Fry)」、音声学ではパルスレジスターなどと呼ばれます。
普段の話し声では、左右の声帯が空気の流れによって周期的に振動しています。一方、エッジボイスでは振動の回数が少なくなり、一つひとつの振動が粒のように聞こえます。
研究でも、通常の声と比べてエッジボイスは基本周波数が低く、持続母音では空気の流量も少ないことが報告されています。
大切なのは、エッジボイスが「喉を力いっぱい締めた声」ではないことです。
見た目には喉の中を確認できないため、喉全体を固めることと、声帯が合わさることを混同しやすくなります。しかし、この二つは同じではありません。
エッジボイスを練習する目的
声帯閉鎖の感覚を確認する
声を出すときは、左右の声帯が適度に合わさり、その間を通る息によって振動します。
声帯の合わせ方が弱く、息が多く漏れると、声がかすれたり、芯を感じにくくなったりします。反対に、強く押さえ込みすぎると、苦しく硬い声になりやすくなります。
エッジボイスでは大きな音量や多くの息を必要としないため、「声帯を合わせること」と「喉に力を入れること」の違いを、小さな息の量で探しやすくなります。

声を出すのに必要な息の量を知る
声を大きくするには、息をたくさん吐けば出しやすくなると思いがちです。
しかし、息が多すぎると、せっかく合わさった声帯が押し開かれ、狙った振動を保てないことがあります。
実際のレッスンでも、息が多すぎるとエッジボイスから通常の声を通り越して不安定になり
音が「ファーーー」となってしまい
かえって芯の無い、音量が稼げない音になる場面が見られます。
エッジボイスを行うことで、声へ変わる絶妙な境界を探すことが可能となります。
「この声には、これくらいの息が必要」という微調整を学べるのです。
息漏れの少ない声や高音練習の土台にする
エッジボイスの感覚は、息漏れの少ない話し声や、芯のある歌声を考える手がかりになります。
レッスンの中では、エッジボイスを
「声帯の開閉」と同時に「息を送り込むアクセル」の踏み込み方
を分けて学ぶ練習として扱っています。
まず小さな振動を作り、そこへ必要な分だけ息を加える。この順番を経験すると、声量を上げたいときや高音を出したいときにも、最初から大量の息で押す癖を見直しやすくなります。
ただし、エッジボイスができるだけで高音やミックスボイスが完成するわけではありません。実際の歌唱では、音程に応じた声帯の状態に加えて、息の速度、息の量、母音の形、顎の開き、共鳴位置の調整も必要になりますが
今回はエッジボイスにフォーカスを当てているので詳しい説明は割愛します
レッスンではどのような変化があった?
実際のレッスンで、エッジボイスを継続した生徒さんから
普段の話し声が以前より通りやすくなったり
周囲の知人からも声が聞き取りやすくなった。
などの感想をもらっています。
また高音発声の練習でも
まず裏声に近い楽な感覚で音程を通し、そこへ必要な声帯閉鎖を加える方法を試しました。
その結果、息で押し上げる力みが減り、閉鎖を保ったまま高い音へ進める場面が増えました。
ここで重要なのはエッジボイス練習で覚えた
声帯の開閉の感覚で掴んだ「声帯閉鎖」の感覚と「息を送る量」の関係を、高音へ応用できたことです。
エッジボイスはゴールではなく
自分では見えない声帯と息のバランスを知るための出発点として使うと、歌へつなげやすくなります。
歌の表現として使う
エッジボイスは練習だけでなく
歌い出しやフレーズの頭に短く加える表現としても使われます。
通常の声に入る直前に小さなザラつきを置くと
切なさ、ためらい、力強さなどを感じさせることがあります。
ただし、長く鳴らしたり、どの言葉にも入れたりすると、歌詞が聞き取りにくくなる場合があります。
まずは発声の基礎を整え、その後に必要な場所だけへ加えると自然です。
エッジボイスの正しい出し方
1.楽な姿勢で小さく息を止める
首や肩の力を抜き、口を軽く開けます。
レッスンでは、
「口を開けたまま水に潜り、息を止める」
というようなイメージを使って、声帯が合わさる感覚を確認しています。
ここで大切なのは、喉を強く締めたりしないことです。
お腹や首まで固めず、ほんの一瞬、空気の流れが止まる感覚だけを確かめます。
2.ごく少ない息を当てる
息を止めた状態から、声になるかならないか程度のごく少ない息を出します。
「あ゛……」と低く小さな粒が鳴れば、エッジボイスに近い状態です。きれいな音程や大きな音量を作る必要はありません。
声を出そうと頑張るより、声帯が振動し始める境界を静かに探すことがポイントです。
3.エッジボイスから母音へつなぐ
小さなブツブツ音が出たら、息をほんの少しだけ増やし、通常の「あー」へつなげます。
「あ゛・あ゛・あ゛ー」のように、粒が少しずつ連続した声へ変わる感覚を探してください。
急に強い声を出すのではなく、エッジボイスと普通の声の間をゆっくり往復します。この境界で息を増やしすぎると声が強く飛び出し、減らしすぎるとエッジボイスのままになります。
4.短い言葉や歌の一音目へつなぐ
母音へ滑らかにつなげられたら、「あさ」「いま」「あなた」など、母音から始まる短い言葉で試します。
歌に応用するときも、最初は一曲を通して使わず、歌いやすい一音だけを選びます。エッジボイスを一瞬鳴らしてから母音へ移り、歌詞や音程が崩れないか録音して確認しましょう。
練習は一度に長く続けるより、喉が疲れる前にやめ、空き時間に短く繰り返す方が感覚を整理しやすくなります。

エッジボイスができないときの原因
普通の低い声になる
息の量が多い可能性があります。声を響かせようとせず、音量をさらに小さくして、振動の粒が離れて聞こえるところまで息を減らしてみましょう。
息だけになってしまう
声帯が合わさる前に息を吐いている可能性があります。いったん声を出さず、口を開けたまま一瞬だけ息を止める感覚へ戻ります。その後、空気を押し出さずに最小限の息を当てます。
喉が苦しい・首に力が入る
喉全体を締めて音を作ろうとしている可能性があります。
エッジボイスは、小さい音だからこそ状態を観察できる練習です。苦しさを我慢して正解の音へ近づけるものではありません。一度中止して首や顎を楽にし、それでも苦しい場合は自己流で続けないでください。
エッジボイスを練習するときの注意点
・大きな音を出そうとしない
・息を強く押し込まない
・喉や首を固めたまま続けない
・痛み、強い違和感、咳が出たら中止する
・声がかすれている日や体調が悪い日は無理をしない
エッジボイスは、声帯の状態を自分で直接見ることができない練習です。音が出ても、喉全体を強く締めている場合があります。
「ガラガラ音が出たか」だけでなく、「小さい息で出せたか」「喉が苦しくないか」「普通の声へ滑らかにつながるか」を成功の基準にしてください。
エッジボイスに関するよくある質問
エッジボイスは誰でもできますか?
声帯や発声の状態には個人差があるため、すぐに音が出る人もいれば、感覚をつかむまで時間がかかる人もいます。低い声を無理に作ったり、喉を締めたりせず、小さな音で試しましょう。痛みや持続するかすれがある場合は、練習より先に専門家へ相談してください。
エッジボイスで声帯閉鎖を鍛えられますか?
エッジボイスは、声帯が合わさる感覚と、振動に必要な息の量を確認する練習に使えます。ただし、筋力トレーニングのように回数を重ねれば必ず閉鎖が強くなる、と単純には言えません。喉を締める癖がつかないよう、音の大きさより楽さを優先してください。
エッジボイスができれば高音も出せますか?
エッジボイスだけで高音が出るようになるわけではありません。高音には、音程に応じた声帯の調整、息の量と速度、母音の形、共鳴などが関わります。エッジボイスは、その中でも声帯閉鎖と息の関係を学ぶ一つの基礎練習です。
エッジボイスとがなり声は同じですか?
同じではありません。エッジボイスは低く小さなパルス状の声で、がなり声は異なる仕組みや発声条件を含む表現です。エッジボイスが出せるからといって、強い音量でがなり声を自己流で練習するのは避けましょう。
まとめ
エッジボイスとは、低い音域で声帯がゆっくり振動することで生まれる、「ガラガラ」「ブツブツ」とした声です。
練習の目的は、大きな音を出すことではありません。
声帯が振動し始める瞬間を見つけ、声帯の開閉と息の量を別々に調整できるようにすることが大切です。
口を軽く開けて一瞬だけ息を止め、そこへごく少ない息を当てる。小さな粒が鳴ったら、少しずつ通常の母音へつなげる。この順番で練習してみましょう。
うまくいかないときは、息の量を減らすことと、喉全体を締めていないかを見直してください。痛みや強い違和感があれば無理に続けず、自分の声に合った方法を専門家と一緒に探すことをおすすめします。
横浜のボイトレスクールFUKURAMU MUSIC SCHOOLの無料体験レッスンはコチラ!
