コラム

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コラム

声帯原音を整えて響きのある声を手に入れよう!!

こんにちは!

FUKURAMU MUSICです。

歌声の響きや通りやすさ、声量のコントロールなど、ボイトレにおいて全ての土台となるのが「声帯原音」です。

ここが曖昧なままだと、どれだけ共鳴を工夫しても望むような歌声が得られません。

今回は、あらゆる発声の根幹である声帯原音の正体と、その役割について詳しく解説していきます。

声帯原音とは?

声帯原音(せいたいげんおん)とは、肺から送られた呼気によって左右の声帯が振動し、声門を通過した瞬間に生まれる「鳴りはじめの素の音」のことです。

私たちが普段耳にする声は、この声帯原音が喉や口の中といった空間(共鳴腔)を通って響き、増幅されることで完成します。

料理に例えるなら、声帯原音は「食材(素材)」であり、共鳴は「調理や調味料」です。

どんなに調理技術が高くても、素材の密度や状態が良くないと美味しい料理にならないのと同様に、原音がしっかりしていなければ魅力的な歌声にはなりません。

声帯原音のメカニズムと倍音

声帯原音そのものは、普段話したり歌ったりしている声とは異なり、「ジィー」というブザーのような味気ない振動音です。

しかし、この音には低音から高音まで非常に幅広い倍音(周波数成分)が豊富に含まれています。

この倍音が声の通り道(声道)で増幅されることで、響きの豊かな歌声が作られています。

声帯原音から母音(言葉)が作られる仕組み

声帯原音の段階では、まだ母音(ア・イ・ウ・エ・オ)にはなっていません。

ブザー音のような原音が、声道を通過することで初めて「母音」へと変化します。

舌の位置や顎の開き、唇の形を変えることで声道の形状が変化すると、特定の周波数帯域が強調されたり減衰したりします(フォルマント調整)。

原音に含まれる豊かな倍音のうち、どの周波数を強調するかによって「ア」「イ」といった個々の母音の音色が作らるのです。

つまり、元の声帯原音にバランス良く倍音が含まれていて初めて、クリアで通りやすい母音を生成することが可能になります。

FUKURAMU MUSIC SCHOOLの「発声基礎レッスン」で声帯原音を整えよう!

声帯原音を良くするメリット

声帯原音を良くするメリットは、原音に含まれる倍音がきれいにはっきりと並びやすくなることです。

声帯が規則的に振動すると、基準となる音に対して2倍、3倍、4倍……と、一定の間隔でたくさんの倍音が含まれた原音が作られます。

このように倍音が豊富にはっきり含まれていると、声道で必要な周波数を強調しやすくなります。

そのため、必要以上に口を大きく動かしたり、声を強く出したり、響かせようと頑張ったりしなくても、きれいで響きのある「アイウエオ」を作りやすくなります。

声帯振動が不規則になると、倍音の間にノイズ成分が増えたり、それぞれの倍音がはっきり現れにくくなったりします。

すると、声道で強調できる材料も少なくなり、母音の輪郭や響きが作りにくくなります。

その結果、「もっと口を開ける」「もっと声を強く出す」「もっと響かせる」といった余計な頑張りで補う必要が出てきます。

声帯原音の段階で倍音がきれいに揃っていれば、少ない頑張りでも、自然にきれいで響く「アイウエオ」を作りやすくなるのです。

声帯原音が最も良くなるのはどんな状態?

ここでいう「良い声帯原音」とは、声帯が規則的に振動し、倍音が豊富にはっきりと並んでいる状態を指します。

このような声帯原音を作るために重要なのが、

・カバー層がしっかり振動できていること
・声帯自身の粘弾性が活かされていること

この2つです。

カバー層がしっかり振動できていること

声帯は、筋肉のかたまりがそのまま振動しているわけではありません。

声帯の表面には、柔らかく動く「カバー層」があり、発声するとこの部分が波打つように振動します。

このカバー層までしっかり動いていると、声帯表面に滑らかな波が生まれ、声帯全体が規則的なリズムで振動しやすくなります。

その結果、基本となる音の上に、倍音が綺麗に並んだ声帯原音を作りやすくなります。

カバー層がしっかり振動するためには、声帯表面が自由に動けることが大切です。

たとえば、声帯同士を必要以上に強く押し付けた状態では、空気の力でカバー層が動ける範囲が小さくなり、振動の幅も小さくなりやすくなります。

また、声帯に炎症や傷、瘢痕などがあり、カバー層そのものが硬くなっている場合にも、表面を波が伝わるような動きは起こりにくくなります。

つまり、カバー層を強く固定するのではなく、肺から送られる空気によって柔らかく波打てる状態を保つことが、良い声帯原音を作る上で重要なのです。

声帯自身の粘弾性が活かされていること

もう一つ重要なのが、声帯自身が持っている「粘弾性」です。

粘弾性とは、簡単にいうと「変形して、元の形へ戻ろうとする性質」「急激に動きすぎず、滑らかに動く性質」をあわせ持っていることです。

声帯は、この性質を利用して振動しています。

肺から送られた空気によって声帯が押し広げられると、声帯自身の弾性によって元の位置へ戻ろうとします。

この「開く→戻る」という動きが繰り返されることで、声帯は1秒間に何百回という速さでも規則的に振動することができます。

声帯自身の粘弾性をうまく利用できている状態では、毎回筋肉の力で声帯を開いたり閉じたりする必要はありません。

空気の力と声帯自身の性質を利用して振動を繰り返せるため、余計な力を使わなくても、規則的で滑らかな振動を続けやすくなるのです。

ところが、声帯が乾燥したり、組織が傷ついて硬くなったりすると、その性質は変化します。

特に乾燥すると、声帯組織の粘性や硬さが増し、空気の力で変形させたり、滑らかに振動させたりするために、より大きな力が必要になります。

また、声帯に傷や瘢痕ができて組織が硬くなると、変形して元へ戻るという本来の動きそのものが小さくなり、カバー層の滑らかな振動も起こりにくくなります。

つまり、声帯自身が柔らかく変形し、元の形へ自然に戻れる状態を保つことが、粘弾性を活かして

倍音が豊富にはっきりと並んだ声帯原音を作ることに繋がっていくのです。

FUKURAMU MUSIC SCHOOLの「発声基礎レッスン」で声帯原音を整えよう!
発声練習

声帯原音と空気圧の関係

カバー層をしっかり振動させ、声帯自身の粘弾性を活かすためには、声帯の「下」「上」にかかる空気圧のバランスが重要です。

発声すると、肺から送られた空気によって声帯の下に「声門下圧」が生まれます。

この圧力が声帯を下から押し広げることで、声帯振動を起こすためのエネルギーが与えられます。

この時、声帯の上側の圧力がほとんどない状態だと、声帯上下の圧力差が大きくなります。

圧力差が大きくなるほど、声帯を通過する空気の勢いも強くなるので、声帯を強く閉じて、下からの空気圧に耐える必要が出てきます。

この「過剰な閉鎖状態」が続くと、声帯の粘弾性や、表面にあるカバー層が自由に波打ちにくくなっていってしまうのです。

声帯の上側に圧力があると、カバー層が動きやすくなる

一方で、声帯の上側に適度な圧力があると、声帯は上下から空気圧を受けた状態になります。

この状態なら、声帯だけで下からの空気圧に耐える必要がなくなるので、「過剰な閉鎖状態」が緩み、声帯表面にあるカバー層にも振動する余裕が生まれます。

つまり、声帯の上側に適度な圧力を作ることが、カバー層が自由に動ける環境を作る上で必須の条件なのです。

声帯の上側の圧力は、粘弾性を活かすことにもつながる

声帯の上側に適度な圧力を作るメリットは、カバー層が動きやすくなることだけではありません。

声帯自身が持っている「粘弾性」を活かした振動にもつながります。

その理由のひとつが、声道内にある空気の「慣性」です。

空気には、一度動き始めるとそのまま動き続けようとする性質があります。この慣性によって、声帯が開くときと閉じるときでは、声門上の圧力が細かく変化します。

声帯が開き始めるときには、声道内の空気がすぐには動き出さないため、声門上の圧力が一時的に高まり、声帯を開く動きを手助けします。

今度は声帯が閉じ始めても、すでに動いている空気はそのまま上へ進もうとするため、声門上の圧力が一時的に下がります。すると、声帯を閉じる動きも手助けされます。

つまり、空気の慣性によって、

開くときには開く方向へ、閉じるときには閉じる方向へ

声門上の圧力が変化し、声帯振動を後押ししてくれるのです。

声門上下の空気圧が適度に整っていると、この慣性による圧力変化を振動の手助けとして利用しやすくなります。

一方、声門下圧ばかりが強く、上下の圧力差が大きすぎる状態では、下から上へ押し流す力が強くなり、こうした細かな圧力変化を振動の補助として活かしにくくなります。

声門上下の圧力を適度に整えることで、声帯を筋肉の力だけで動かす必要が減り、「変形して元に戻る」という声帯本来の粘弾性を使った振動が起こりやすくなるのです。

声帯原音を良くする練習方法

ここまで説明してきた通り、良い声帯原音を作るためには、カバー層がしっかり振動し、声帯自身の粘弾性を活かせる状態を作ることが大切です。

そのためには、声門下圧だけが強くならないように、声帯の上側にも適度な空気圧を作り、声門上下の空気圧を整える必要があります。

上下の空気圧が整うと、声帯を強く閉じて下からの圧力に耐える必要が減り、カバー層が自由に振動できる余裕が生まれます。

さらに、声道内の空気が持つ慣性も声帯振動を手助けする方向に働きやすくなり、声帯自身の粘弾性を活かした滑らかな振動につながります。

この状態を作るために使われる代表的な発声方法が「SOVT」です。

SOVTとは?

SOVTとは、口や唇などで声の出口を少し狭くした状態で発声する方法の総称です。

ストロー発声、リップロール、ハミングなどが代表的なSOVTにあたります。

声の出口を狭くすると、口から空気が一気に抜けにくくなり、声帯の上側に適度な空気圧を作りやすくなります。

その結果、声門上下の空気圧が整い、カバー層が振動できる余裕が生まれます。

さらに、声道内の空気の慣性による振動の手助けも受けやすくなるため、声帯自身の粘弾性を使った振動にもつながります。

つまりSOVTには、声帯が本来の振動をしやすい空気圧の環境を作る役割があるのです。

SOVTがうまくできている時の判断基準

SOVTがうまく機能しているかは、発声した時に「どこに振動を感じるか」で判断しやすくなります。

声帯を強く閉じて発声している状態では、喉そのものが鳴っているような感覚や、喉の奥に振動が集中している感覚が出やすくなります。

声門上下の空気圧が整い、カバー層と粘弾性を活かした振動へ変わってくると、喉周辺の強い振動感が薄くなっていきます。

その状態で感じやすくなるのが、上の前歯の付け根や鼻の周辺など、顔の前面側に振動が集中している感覚です。

このような発声感覚は「FFV(Forward Focused Voice)」と呼ばれます。

感覚としては、

喉そのものが鳴っている感覚が強い

喉の存在感が薄くなる

顔の前面側に振動が集中する

という変化です。

SOVTを行った後に普通の母音を出した時も、この振動感覚が残っているか確認してみましょう。

顔の前面側に振動が集まり、喉が鳴っている感覚が薄い状態を維持できていれば、SOVTがうまく機能している一つの目安になります。

代表的なSOVT「ストロー発声」

声帯原音を整える練習としておすすめなのが、水とストローを使った「ストロー発声」です。

用意するのは、太さ2〜3mm程度のストローと、水を入れたペットボトルです。

ストローの先端を、水面から約8cmの深さまで入れて準備します。

まずは無声で一定に泡を出す

最初は声を加えず、ストローから息を吹いて「ブクブク」と泡を出します。

水の中へ空気を送り込むと、水を押し返すための抵抗が生まれます。水深約8cmに設定しておくことで、発声に適した抵抗を作りやすくなります。

その結果、過剰な声帯閉鎖が緩み、カバー層が振動する余裕が生まれます。さらに、空気の慣性と声帯自身の粘弾性も活かしやすくなるのです。

泡を見ながら、途中で止まったり急激に激しくなったりせず、同じくらいの勢いで続いているか確認してください。

泡を保ったまま声を加える

無声で泡を安定させたら、その空気の流れを保ったまま「ウー」と声を加えます。

音程は、男性ならF3前後、女性ならC4前後を目安にしてください。

声を加えた瞬間も、無声のときと同じように泡が続いていれば、息を堪えずに声帯を振動させられています。

最後はFFVになっているか確認する

ストロー発声を終えたら、声の出し方の感覚を維持したままストローを外して「アー」と声を出します。

確認するのは、発声したときに感じる振動の場所です。

喉そのものが鳴っている感覚が薄くなり、上の前歯の付け根や鼻の周辺など、顔の前面側に振動が集中していれば成功の目安になります。

この状態を普段から維持することで、声帯原音のクオリティをだんだん上げていくことができます。

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声帯原音に関するよくある質問

声帯原音が良いかどうかは自分で判断できますか?

目安のひとつになるのが、発声したときに感じる振動の場所です。

喉そのものが強く鳴っている感覚が薄く、上の前歯の付け根や鼻の周辺など、顔の前面側に振動が集中して感じられる状態は、FFV(Forward Focused Voice)と呼ばれます。

この感覚が出ていると、カバー層や声帯自身の粘弾性を活かした振動ができている可能性が高くなります。

声帯原音は大きいほど良いですか?

声帯原音は、大きさよりも振動の規則性や倍音の状態が重要です。

強い声を出そうとして声帯をグッと閉じると、カバー層が動きにくくなり、倍音が整いにくくなることがあります。

少ない力でも、倍音が豊富にはっきり含まれた原音を作れる状態を目指します。

声帯原音が悪いと、どんな声になりやすいですか?

声帯振動が不規則になると、倍音がはっきり現れにくくなり、ノイズ成分も増えやすくなります。

その結果、母音の輪郭や響きを作りにくくなり、きれいな「アイウエオ」を出すために、声量や口の動きで頑張って補いやすくなります。

ストロー発声は毎日やっても大丈夫ですか?

無理のない音量と高さで行い、喉に痛みや強い違和感が出ていなければ、短時間ずつ取り入れやすい練習です。

大切なのは長時間続けることよりも、息を止めず、声門上下の空気圧が整った状態を作ることです。

練習後にFFVの感覚が出ているかも確認すると、やり方が合っているか判断しやすくなります。

声帯原音を良くすれば、歌声も良くなりますか?

声帯原音は、歌声を作るための「素材」にあたります。

倍音が豊富で規則的な原音を作れるようになると、その後の共鳴によって必要な周波数を強調しやすくなります。

結果として、少ない力でもクリアで響きのある母音を作りやすくなり、歌声全体の土台を整えることにつながります。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

声帯原音を整えることは、より自然で響きのある声を目指すうえで大切な土台になります。

今回ご紹介した内容も参考にしながら、ぜひ日々のボイストレーニングに取り入れてみてください。

皆さまの発声や歌声が、さらに良い方向へ変化していくきっかけになれば幸いです。

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